損切りを考えるとき、損切り幅をいくらに設定すればいいのかトレード手法によって変わってきます。
耐えられる損切り額にも変わってきますね。
1回の損切り額が5,000円までなら問題ないという人もいれば、3,000円までなら耐えられるという方もいるでしょう。
ロット数で調整できる部分でもありますが、ここでは適切な損切り幅の考え方について解説致します。
損切りの考え方
損切りはポジションを持っておく優位性がなくなったときに行います。
どこでエントリーしても損切りすべきポイントは基本的に変わらず、損切り幅はエントリーするタイミングによって変わってきます。
そして損切り幅を考えると同時に利確幅も考えていく必要があります。
FXでは損小利大という言葉があります。
その名の通り、損を小さくして利益を大きく狙うことなのですが、損切り幅が大きくて狙える利確幅が小さいということは損大利小になるため狙うべきではありません。
“コツコツドカン“
損大利小でトレードすると一撃K.Oをもらい退場していきますね。
FXはプロがいる世界です。
単純に損切り幅を広げればその分耐えられるとか、少しマイナス方向へ進めばすぐに損切りするようなトレードしていてはお金を失うばかりです。
損切り幅をどうするかではなく、損切りポイントからどれだけ近い所でエントリーするのか
この考え方が重要です。
損切りポイントがわかっていなければ、pipsばかり考えることになるでしょう。
まずは相場検証して適切なポイントに損切りを設定できるようにしていきましょう。
損切りのポイントは“優位性”
損切りをどこに入れるべきなのか
それは買いポジションを持つ場合は、買いの優位性がなくなったときになります。
売りの場合は売りの優位性がなくなった時です。
このチャートで上昇パーフェクトオーダーになっている場面です。
メモ
パーフェクトオーダーは移動平均線などインジケーターで認識できるトレンド状態を言います。
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買いで狙おうとしていたとき、ダブルボトムを作りローソク足がネックラインの上へ抜けています。
ダブルボトムのネックラインを抜けたタイミングで買いエントリーしたとします。(緑○)
上昇トレンド中でネックラインを抜けたため、ある程度伸びていますね。
しかしすぐに反転して移動平均線も抜けて下げてきました。
チャートを見ている場合、まず買いポジションを決済する1つ目のポイントはローソク足が移動平均線の下へ抜けたことです。(赤①)
ここで買いの優位性が失われましたので、決済しなくてはいけません。
この段階だとまだかすり傷程度で済みますね。
ここで損切りができなかった場合は②のポイントです。
ここのダブルトップができて、ローソク足がネックラインの下へ抜けていくと高値切り下げ且つ安値の切り下げにもなり下降ダウの成立です。
遅くてもこの時点で損切りしなくてはいけません。
しかし損切りできずにポジション保有し続けた場合は、どんどん損失が膨らみます。
また戻ってくるかも
こんな甘い言葉考え方は捨てましょう。
損切りは、抜けられると困るところに入れるから意味があるのです。
メモ
ダブルボトムは天底圏で見られるチャートパターンで、ネックラインはダブルボトムやダブルトップで引くことができるラインになります。
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利確と損切りの比率
損切り幅と狙う利確幅は最低でも比率1:1でなければいけません。
リスクリワード比率という言い方もしますが、リスクとリワードの比率が1:1の場合、例え勝率60%でもトータルでプラス収支になります。
例として
利確10万円 損切10万円 トレード回数10回
勝率が60%ですので、6勝4敗となります。
60万円(利確)―40万円(損切)=20万円の利益となります。
リスクリワード比率を1:2にした場合
利確20万 損切10万円 トレード回数10回
120万円(利確)―40万円(損切)=80万円の利益となります。
これは簡単な計算ですが、勝率が60%と低めでもリスクリワード比率1:1であればトータルをプラス収支で資金を増やし続けることができます。
勝率だけにこだわる人もいます。
たしかに勝率80%や90%高いとそれだけ安心できますが、勝率100%というのはあり得ません。
トータルでプラスにできるか意識していきましょう。
利確に関してはこちらが参考になります。
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損切りの値幅の設定について
損切りの値幅の考え方が大きく2つあります。
それが固定型と変動型です。
この2つのパターンにはエントリーのタイミングにも関係してきて、それぞれメリットとデメリットがあります。
メモ
エントリーのタイミングは狙い方が2つに分かれます。
・順張り
・逆張り
順張りはトレンド方向へ上位足と下位足が一致し始めてから狙い、逆張りは下位足が上位足のトレンドに逆らった状態で反発点を狙っていきます。
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エントリータイミングを合わせて解説していきます。
損切をpipsで固定する考え方
損切りを固定する考え方というのは、常に決まったpipsで損切りをするやり方です。
10pipsで損切りをする場合、米ドル円を120.50円で買いポジションを持った時に損切りは120.40円ということになります。
そしてエントリーのタイミングは、レジサポラインなどの水平ラインにタッチしてエントリーする逆張りになります。
メモ
レジサポラインは買いと売りの優位性が分かれる分岐点になります。
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レジサポラインで反転を狙った逆張りでエントリーします。(緑○)
このレジサポラインを完全に下へ抜けていってしまうと、買いの優位性はなくなるため損切りになります。
レジサポラインより下、少し左側での反発で若干抜いてきているため、その下に損切りを設定します。
メリット
ポイント
・損切り値幅を最小限にできる
・自信で損失額を決めるため損切りをしやすい
意識されているレジサポラインなどの水平ラインであれば反発する可能性が高いため損切りを最小限にできて、基本的には損切りは水平ラインのすぐ上か下になり、pips固定のため1回の損切りを小さくできます。
自身で損失額を決めているため、損切りしやすいのが特徴です。
デメリット
注意ポイント
・思惑通り反発してもなかなか伸びずに耐える時間が長いときがある
・水平ラインまでローソク足が届かずに伸びていってしまうときがある
・トレンド方向を誤って認識すると損切りになる可能性が高い
例え意識される水平ラインでエントリーして反発しても、なかなか伸びずにローソク足が何度か戻ってくることが多々あります。
耐える時間帯が長くなりやすいことが特徴です。
2つ目に水平ラインまで届いてからトレードするため、ローソク足が届かずに反転して伸びていってしまうとエントリーできないこともあります。
そして3つ目はトレンド方向を誤って認識すると損切りにあう可能性が高いです。
気づいた時点ですぐに損切りをして逃げることが必要になってきます。
損切りのpipsが相場により変わる考え方
損切り幅が相場によって変わるというのは、反発を確認してから順張りでエントリーするためローソク足の形により損切り幅が小さくなったり大きくなったりする方法です。
損切りの値幅が大きくなることもあるため、狙うことを諦める必要性もありますが、勝率が高い方法でもあります。
先ほどのチャートでは、ネックラインが引けるためローソク足がネックラインを抜けることによって順張りエントリーします。
この時点ではネックラインのすぐ下への損切り設定ができないため、どうしてもローソク足の形に委ねられてしまいます。
この損切りの値幅がきついと感じる時はロット数を少なくしたり、トレードしないという決めごとが必要になります。
メリット
ポイント
・トレンド方向へ反転を確認してからのトレードであるため勝率が高い
・損切り注文を巻き込んでのエントリーなので伸びやすい
順張りの特徴が上位足と下位足のトレンド方向が一致してからのエントリーであるため、勝率が高いことが特徴です。
そして損切りを巻き込んでトレードするため、レンジ相場の時間帯が長ければ長いほど伸びやすいです。
デメリット
注意ポイント
・損切り幅が値動きに左右される
・戻ってくることがあるため耐える時間も必要
先ほどのチャートのように損切りポイントに対して、値動きにより大きくなってしまうことがあります。
損切りポイントに近い所でネックラインを引くことができれば、損切り幅を小さくもできますが、こればかりは値動き(ローソク足の形)に合わせて設定するしかありません。
結局どちらがいいのか
損切り幅を固定する方法と値動きにより変動する方法でどちらがいいのかはトレード手法により変わってきます。
難易度的には損切り幅を固定したやり方の方が高いです。
勝率を高めて、トレンドフォローに徹したいという方には順張りでトレードする方が安全です。
私が紹介しているMt.moreさんのトレード全書はトレンドフォローを徹底したトレード手法です。
ローソク足で反転を確認してからエントリーするため、優位性の高い所を狙っていきます。
ご参考までに。
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損切りを最小限にしたトレードに必要な技術
損切り幅を小さくするためには、ライントレードが必要になってきます。
インジケーターでエントリーを考える場合は、そもそもインジケーターの設定はトレーダーにより自由に設定できるため順張りに適しています。
インジケーターはトレンド方向確認するために使い、水平ラインでエントリーすることで損切りを最小限にすることができます。
ただ水平ライン(レジサポラインやサポートライン、レジサポラインなど)はあなた自身で引く必要があるため、水平ラインを引く技術が必要になります。
勝率を高めたトレードに必要な技術
損切り幅は大きくなりやすいですが、こちらの方法では下位足でトレンド転換を確認してからエントリーするため、トレンド転換したと判断する技術が必要になります。
こちらは水平ラインを引いてトレードしてもいいですが、インジケーターだけでのトレードも可能です。
インジケーターを使ったトレンド開始の形(パーフェクトオーダーなど)や押し目/戻り目の形を理解しておく必要があります。
まとめ
損切り幅の考え方について書きました。
損切り幅を固定する考え方は、決まった損切り幅のため比較的損切りもしやすく
負担を小さくできます。
ただし水平ラインを引く技術が必須となり、エントリーポイントをピンポイントで当てる必要があります。
しかし、トレンド方向が一致したポイントでエントリーする場合は、反転を確認しているため伸びやすく、エントリー後に多少の上下の動きでも耐えられるというわけです。
過去チャートを使って検証するか、トレーニングツールを使って検証して適切な損切りができるようになっていきましょう。
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