ネックラインはトレンド終了時に引けるラインで、利益を増やしてきたトレーダーが決済を考えたり、トレンド転換したと判断して新規でポジションを持つことを考える重要なラインになります。
ネックラインを引く意味とは?
ネックラインはトレンド終了や転換する目印として引くことが多く、ポジションを保有して利益を伸ばしてきたトレーダーは決済を考えるラインでもあります。
それと同時にトレンド転換と判断したトレーダーは新規で注文を入れることもあります。
Wトップとなってネックラインを下へ抜けて、下降トレンドとなっているチャートですが、Wトップができる前の左側で、買いポジションを持ったトレーダーが保有しているポジションを、どこで決済すべきかを考えます。
Wトップという天井圏でできるチャートパターンができて、ネックラインを抜けたことにより、売りの決済注文が集中して大きく下げることになっています。
もう少し詳しく説明すると
赤の水平ラインでもわかるように、安値を切り上げて上昇ダウができており、最終的にはネックラインという直近安値を抜けております。
ここで【上昇ダウ(上昇トレンド)が崩れる=トレンド終了】と判断され、ネックラインを抜けたときというのは決済が集中しやすいです。
そして天井だと判断したトレーダーが、新規の売りポジションを持ち始めるポイントでもあります。
Wトップを含めた天井圏や天底圏で見られるチャートパターンでは、ネックラインをよく引くことができますので、ライントレードを行う際は、必ず引くべきラインの1つになります。
天井圏でのネックライン
天井圏でみられるチャートパターンとして、先ほどのWトップやヘッドアンドショルダーなどがあります。
このチャートパターンではネックラインが引けることが多いです。
ヘッドアンドショルダーのネックラインの例
三尊とも言われているヘッドアンドショルダーでもネックラインは引けます。
左側でWボトムにもなっていますが、そこから上昇ダウができており、ここで買いポジションを持った場合は、どこで決済するかを考えます。
インジケーターなど使えば、もう少し決済が早くできることも可能ですが、遅くてもこのヘッドアンドショルダーになったこの天井圏で引けるネックラインで決済を考えます。
ここで天井だと判断すれば、ネックラインを抜けたら売りポジションを持つトレーダーも現れます。
天底圏でのネックライン
天井圏とは逆で、Wボトムやヘッドアンドショルダーズボトムといった天底でできるチャートパターンにもネックラインは引くことができます。
Wボトムとネックラインの例
Wトップとは逆の考えで、Wボトムにもネックラインは引けます。
勢いよく下降してきたチャートが、大きくWボトムを作っています。
ここで引けるネックラインも、売りポジションを持って利益を増やしているトレーダーは、決済を考えるポイントになります。
勢いよく下落してから、Wボトムを作り、ネックラインを抜けて上昇トレンドになっています。
ヘッドアンドショルダーズボトムとネックラインの例
ヘッドアンドショルダーズボトムにもネックラインは引くことが可能です。
左側ではWトップになって下げてきており、その後にヘッドアンドショルダーズボトムを作っており、ここでもネックラインが引けて、注文が集中していることがわかります。
売りポジションを持って、利益を伸ばしてきたトレーダーは、このネックラインで決済を考えます。
このようにネックラインは決済注文とトレンド転換と判断したトレーダーによる新規の注文が集中しやすいポイントにもなります。
ネックラインの引き方
ネックラインを引くときに、大切な考え方がダウ理論になります。
安値の切り上げや高値の切り下げなど、この値動きの考え方が大事になります。
明確な安値切り上げが出来ているなか、その安値切り上げが終了して、逆に安値切り下げが起こるときに決済注文が集中します。
その決済注文が集中しそうなポイントにネックラインをあらかじめ引いておくことで、視覚的に重要なポイントが分かるということです。
ネックラインだけでのトレードの危険性
WトップやWボトムなどの形は、チャートではいろんなところで見ることができますが、
そのすべてにネックラインを引けるわけではありません。
比較的綺麗なWボトムのようになっており、ネックラインを引いたけどトレンドは継続して下落しています。
このチャートではWトップのように、綺麗な2つの山ができていますが、天井にはなっておらず、チャートの右側ではかなり上昇しています。
このようにWトップやWボトムのような似た形というのは、いろんなところにありますので、必要な場所にだけネックラインを引く必要があります。
複数の根拠が加わったネックラインの使い方
ネックラインを引くときは、ラインやインジケーターなどの別の根拠と合わせて使うことで効果を発揮します。
先ほどヘッドアンドショルダーズボトムで紹介した15分足のチャートなのですが、このここで上位足に変えて、ネックラインとして引けるラインなのかを確認します。
黄色○のエリアが15分足でみたヘッドアンドショルダーズボトムなのですが、ここでネックラインを引き延ばし、安値を黒の水平ラインで引きました。
すると、黒の水平ラインでは過去にレジサポとして機能しており、ネックラインもレジサポとして機能しています。
過去に意識されたラインでもあるため、15分足で引いたネックラインは引くべきラインであり、そのネックラインをローソク足が上へ抜けると買いが集中しやすいポイントであることが分かります。
このチャートは1時間足でのWトップのチャートで、上位足である4時間足で確認します。
黄色○のエリアが1時間足でみたWトップなのですが、高値とネックラインを引き伸ばしてみました。
高値は過去に2回反発して大きく下落しており、ネックラインもわかりにくいかもしれませんが、レジサポにもなっています。
このレジサポになっていることは、気づくことがなくても高値で2回反発しており、今回の1時間足のチャートでも2回反発してネックラインをローソク足が下へ抜けています。
高値のラインが強いことがわかります。
このように、ただネックラインを引くだけではなく、高安値で意識される根拠がないか確認することで、根拠のあるトレードができるようになります。
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まとめ
ネックラインは天底で引けるラインで、決済注文が集中しやすいラインでもあります。
そして決済が集中するということは、伸びやすいポイントでもあるため、トレンド転換したと判断したトレーダーによる新規注文も入ってくるポイントでもあります。
ただし、チャートパターンだけで判断するのは危険で、別の根拠が必要なため、
「○○だからこのネックラインは決済注文として集中しやすいから、抜けたら伸びやすい」
など、Wトップだから、ヘッドアンドショルダーだからというだけで、ラインを引くのは危険ですので、上位足を見るなど根拠を考え予想しながらトレードしていきましょう。