天井や天底でみることができるチャートパターンで、ダブルトップやダブルボトムといった有名なチャートパターンを紹介しました。
三尊と逆三尊も有名なチャートパターンになるため、ダブルトップやダブルボトムと合わせてご覧ください。
三尊(ヘッドアンドショルダー)とは?
三尊をよくヘッドアンドショルダーという呼び方をします。
ヘッド(頭)とショルダー(肩)でできているためそう呼ばれます。
これが三尊(ヘッドアンドショルダー)の基本的な形で、左肩+首+右肩でできており、このチャートパターンでもネックラインを引くことができます。
この三尊の形はダウ理論でいう、高値切り下げ安値切り下げとなっている形でもあります。
もう少し詳しく解説しますと、上昇ダウ(高値切り上げ、安値切り上げ)だった形が、トレンド転換で下降ダウ(高値切り下げ、安値切り下げ)になっています。
この天井圏で見られるトレンド転換のサインが、三尊(ヘッドアンドショルダー)と呼ばれるチャートパターンです。
チャートで見るとこんか感じです。
三尊や逆三尊の場合、ネックラインは必ずしも水平ラインになるとは限りません。
ものチャートのように、斜めのラインになることもあります。
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ネックラインには重要な意味がある!引き方やトレードに生かすコツ
ネックラインはトレンド終了時に引けるラインで、利益を増やしてきたトレーダーが決済を考えたり、トレンド転換したと判断して新規でポジションを持つことを考える重要なラインになります。
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逆三尊(ヘッドアンドショルダーズボトム)とは?
逆三尊はヘッドアンドショルダーズボトムとも呼ばれ、考え方は三尊とは逆の考え方になります。
この逆三尊はダウ理論では上昇ダウ(安値切り上げ、高値切り上げ)の形へなっていきます。
下降ダウ(安値切り下げ、高値切り下げ)からトレンド転換して上昇ダウ(安値切り上げ、高値切り上げ)へ切り替わっています。
この天底圏で見られるトレンド転換のサインが、逆三尊と呼ばれるチャートパターンになります。
チャートで見るとこんか感じです。
トレンド転換と判断されて、ネックラインを一気に抜けて上昇しています。
天井圏や天底圏で見られるチャートパターンと、その時に引くことができるネックラインには決済注文が集中しやすいため、トレンド転換と判断したトレーダーによる新規注文(上のチャートでは買い注文)も入りやすいです。
三尊や逆三尊にならない事例
三尊や逆三尊の形と判断して、ネックラインを引いても思い通りに伸びずに失敗に終わる場合もあります。
例えばこのチャートですが、一見綺麗な逆三尊の形になっていると思い、ネックラインを引いてみたが、抜けても伸びなかった例になります。
このチャートは結果的にはダブルボトムになっているのがわかりますでしょうか?
天井や天底を判断する場合は、チャートパターンだけでの判断でするのはリスクが高いため、別の判断根拠というのが必要になってきます。
先ほどのこのチャートを例に、短期(20MA)・中期(80MA)・長期(240MA)の3本の移動平均線を追加してみました。
長期が上向きで、長期的には買い目線だというのがわかりますが、逆三尊のような形ができる所では、短期と中期が下向きで下降トレンドができています。
黄○が先ほど逆三尊と判断してしまう場所です。
中期の80MAがまだ下向き(青矢印)であるため、売り目線であることがわかります。
しかし、ダブルボトムとなった2つ目の安値付近(青矢印の少し右側)では中期も反転し始めて、上昇目線になりネックラインを抜けています。
三尊や逆三尊の場合も、インジケーターなど別の根拠と合わせることで、天井や天底の判断がしやすくなります。
三尊や逆三尊でのトレンド転換の狙い方
三尊や逆三尊で天井や天底を判断する場合は、インジケーターなど別の根拠と合わせることで、トレンドの初動から狙うことも可能になります。
逆三尊とは?でも紹介したチャートに移動平均線を追加しました。
逆三尊ができているときは、中期や長期がやや下を向いていますが、ネックラインを大きく抜けています。
抜ける前はエントリー判断として少し危険はありますが、抜けた後のリターンムーブ(押し目)を狙うことでトレードが可能になります。(黄○)
インジケーターで判断する場合は、その角度が緩やかになっている状態でネックラインを抜け後のリターンムーブを狙うことで、トレンドの初動を獲りにくいことが可能になります。
三尊の場合も同じ考え方になります。
インジケーターに逆らった三尊や逆三尊
インジケーターが上向きや下向きでも、その方向に逆らって三尊や逆三尊となって反転するときがあります。
3つのラインが上向きであるが、三尊になりネックラインを抜けて下降トレンドになっています。
これはグランビル法則と言って、移動平均線から大きく乖離した場合はレートが戻ってきやすいとされています。
ただ、グランビルの法則だからという考え方よりもレートの流れを読むことが大事です。
ズームアウトしたチャートにチャネルラインと流れに合わせて緑の曲線を引きました。
因みに先ほどの三尊は、黄○の部分になります。
これを見るとチャネルラインの幅で緑の曲線のような流れでレートが動いています。
この流れを知り、インジケーターが上向きでもそろそろ反転かな?と予測する事が大事になります。
まとめ
三尊や逆三尊は天井や天底で見ることができるチャートパターンの1つになります。
ダブルトップやダブルボトムと同じように、ネックラインを抜けることが決済のポイントになります。
エントリーを考える場合は、ネックライン抜けでエントリーする場合と、リターンムーブ(押し目)を待ってエントリーできる場合がありますが、インジケーターなど別の根拠と組み合わせエントリーを考える必要があります。
最後になりますが、チャートパターンだけでの判断はしないようにしましょう。