相場というのは、高値と安値を作りながら動いています。
ダウ理論はその値動きの基本的な考え方であるため、トレーダーはダウ理論を必ず学んでおり、トレードでもダウ理論を意識しながら取引されています。
トレンドライン、水平ラインやチャートパターンもダウ理論から考えられるため、ダウ理論が分かっていなければ、これらを使いこなすことはできません。
ダウ理論とトレードの関係性
ダウ理論には6つの基本法則があります。
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FXの基礎の基礎!ダウ理論について
ダウ理論はチャールズ・H・ダウが19世紀に執筆した6つの基本法則を言います。 テクニカルの元祖となる理論です。
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ダウ理論で一番、頭に入れておきたいことが値動きです。
FXのチャートで確認できる上昇トレンドや下降トレンドというのは、価格が上下運動しながら上昇トレンド・下降トレンドを作っています。
この値動きを上昇ダウ・下降ダウという言い方をするのですが、トレンドというのはこのダウが崩れるまで続きます。
有名なチャートパターンで、ダブルトップやダブルボトム、上昇フラッグや下降フラッグなんかもダウ理論を理解していれば、どこで狙えばいいのかも見えてきます。
上昇ダウの波形
上昇ダウというのは、高値を切り上げながら安値を切り上げる状態のことを言います。
この状態をいわゆる上昇トレンドと言います。
これが上昇ダウ(上昇トレンド)の相場の波形になります。
この高値の切り上げと安値の切り上げができている時は、上昇トレンドと判断されるため、買い注文で狙う相場になります。
ただし買い注文で狙う場合は、高値付近で狙うといきなり下げてくる可能性があるため、できるだけ安値で買い、高値で決済をするようにしましょう。
安値の切り上げと高値の切り上げが確定するタイミング
上昇ダウは、安値を切り上げて高値を切り上げるわけですが、この安値の切り上げと高値の切り上げというのは、高値を更新したときに安値が確定します。
高値のラインの延長上で、この高値ラインをレートが上へ抜けています。
直近の高値を抜けて高値を更新したことで、安値が切り上がったことが確定します。
下降ダウの波形
下降ダウというのは、安値を切り下げながら高値を切り下げることを言います。
そしてその状態を下降トレンドと言います。
これが下降ダウ(下降トレンド)の波形になります。
この安値切り下げと高値の切り下げができているときは、下降トレンドと判断されるため、売り注文で狙う相場になります。
上昇トレンドとは逆の考え方で、売りで狙う場合はできるだけ高値で売って、安値で決済をするようにしましょう。
高値の切り下げと安値の切り下げが確定するタイミング
下降ダウは高値を切り下げて安値も切り下げています。
考え方は、上昇ダウの逆になります。
安値のラインの延長上で、レートが安値ラインを下へ抜けています。
この時に安値を更新することで、高値が確定して、下降トレンドとなっています。
ダウが崩れるタイミング
トレンドはダウが継続するまで続くという考え方があります。
ではダウが崩れて終了するというのはどんな時になるでしょうか。
ダウが崩れる場面
上昇ダウの場合は、安値が切り下がったとき
下降ダウの場合は、高値が切り上がったとき
これがダウが崩れる状態になります。
先ほどの上昇ダウの右側で、ダウが崩れています。
ダウが崩れるときは、上昇トレンドが終了したことにより、買いポジションを持って利益を増やしてきたトレーダーによる決済が集中しやすくなります。
ダウが崩れている状態は、トレンド終了示唆になりますので、トレンド終了状態でのトレードは見送る必要がでてきます。
ダウ理論の高値・安値の定義
上昇ダウや下降ダウは、高値と安値を作り上昇や下降しているわけですが、この高値と安値というのは大きなものから小さいものまであります。
どこが高値となるのか、あるいは安値になるのかわからない
この青と白のラインも高値や安値にはなりますが、小さなダウであり大きなトレンドの高値・安値とは違います。
この小さな高値や安値も、大きなトレンドのダウだと判断してしまう。
こういう方も多いのではないかと思いますが、インジケーターを使うことで、高値と安値を定義化することができます。
ダウ理論を移動平均線で見てみよう
高値と安値を判断する方法として移動平均線を使ってみます。
移動平均線を表示させて、1本のラインが山と谷を作り、そこが高値・安値と判断する方法です。
まずは先ほどの上昇ダウを見てみましょう。
チャートに単純移動平均線(SMA)の20期間を表示させてみました。
下降ダウも見てみます。
移動平均線という基準を設けて、高値と安値を定義化することにより、小さな高値や安値すべてをダウと判断しなくて済みます。
ただし、この小さなダウも大きなトレンドが明確であれば、トレードに生かすことができます。
ですので、小さなダウは見ない、というわけではなく大きなダウでトレンドを確認して、小さなダウでタイミングを図ることで環境認識からのトレードが可能になります。
ダウ理論には大きな波形と小さな波形がある
トレンドができているとき、小さな波を作りながら、大きな波となってトレンドになっています。
トレードをするときは、その大きな波(トレンド)方向に沿って、小さな波でタイミングを図ることになります。
この上昇ダウの中でも、小さなダウが存在します。
大きな流れに対して、小さなダウが上昇ダウなのか、下降ダウなのか認識していく必要があります。
ぜひ狙っていきたい相場環境は
狙いたい場面
買いで狙う場合は、大きな上昇ダウの中の小さな下降ダウを狙う(押し目)
売りで狙う場合は、大きな下降ダウの中で小さな上昇ダウを狙う(戻り目)
となります。
これは【フラッグ型】も関係しています。
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押し目の代表系チャートパターン【フラッグ型】
上昇トレンドや下降トレンド中でも、一時的な反転は必ずあります。 今回紹介するフラッグ型はこの一時的な反転である「押し目」の代表的な形となり、トレンドフォローを狙うには絶好的なチャンスになります。
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押し目となるダウ
押し目となるダウは、まず大きな流れが上昇ダウであることが必須です。
その中で、小さな下降ダウが崩れたときに狙う必要があります。
チャートで大きな流れの上昇ダウを認識した上で、青と白のラインで、小さな下降ダウができています。
この上昇ダウ(上昇トレンド)のなかでの一時的な下げを押し目と言うのですが、相場が上昇ダウで買い目線であるなら下降ダウが崩れたときは下降トレンドが終了したと判断されるため、買い目線に移りやすいです。
買い目線に移れば、買うタイミングを待っていたトレーダーによる注文が集中しやすくなります。
戻り目となるダウ
戻り目となるダウは、大きな流れが下降ダウであることが必須になります。
その下降ダウの中の小さな上昇ダウが崩れたときを狙っていきます。
大きな流れが下降ダウ(下降トレンド)の中の一時的な上昇を戻りと言うのですが、この戻りである上昇ダウが崩れたときは、小さな上昇トレンドが終了したと判断されて、売りが集中しやすくなります。
押し目と戻り目は言葉は違いますが、考え方は同じです。
レンジ相場の中のダウ
レンジ相場(ボックス相場)のなかでもトレンドができています。
大きな時間軸がレンジ相場であっても、時間軸を変えて狙っていくことも可能ではあります。
この大きなレンジ相場の中に下降ダウや上昇ダウができています。
方向感のない相場でも、小さい時間軸に変えることで、トレードができることもあります。
このチャートが日足である場合、時間軸を落として1時間足でトレンドを確認して15分や5分足でトレードをするという方法です。
この黄色のエリアが1時間足では下降トレンド相場であるということです。
ただし、1時間足がレンジ相場で方向感がない場合は、下の時間軸は5分や1分足などがありますが、トレードは控えた方がいいです。
まとめ
ダウ理論を理解するためには、毎日チャートを見て高値や安値にラインを引いて慣れていく必要があります。
そしてチャートパターンで有名なダブルトップや三尊、フラッグ型もダウ理論からできているため、ダウ理論の理解が必須になります。
ぜひチャートを見るときは、チャートパターンだけの知識ではなく、ダウを意識した見方で値動きを見るようにしましょう。