MACD(マックディ)は指数平滑移動平均線(EMA)を使った分析法になります。
トレンドの開始や終了がいち早く分かることから、人気の高いテクニカル指標でもあります。
MACD(マックディ)のラインが示すそれぞれの見方
MACDはMACDラインとシグナルラインやヒストグラムの3つで構成されており、MACDラインとシグナルラインの2つのラインでトレンドの開始を位置早く教えてくれて、ヒストグラムはMACDラインとシグナルラインの勢いを表します。
使いこなすには少し慣れが必要ですが、MACDはいろんな情報を教えてくれます。
では各ラインについて詳細を説明していきます。
MACDラインとは?
MACDラインは2つの異なった期間の指数平滑移動平均(EMA)の差になります。
一般的に使われている期間は12と26です。
この黄色○内では赤のMACDラインが下げており、この時は同じ期間の指数平滑移動平均線(EMA)も同様に下げていることになります。
それでは指数平滑移動平均線(EMA)を表示させてみます。
同じ期間の平滑移動平均線(EMA)を表示させると、2つのラインが下げています。
この2本の指数平滑移動平均線(EMA)の差がMACDラインです。
MACDラインが勢いよく上昇/下降する場面は、2本の指数平滑移動平均線(EMA)も勢いよく上昇/下降しており、勢いをなくして水平気味になってくると指数平滑移動平均線(EMA)も2つのラインが収束して、黒色の水平ラインである0ラインに近づいてきます。
MACDラインが0ラインを通過するときは、2つの指数平滑移動平均線(EMA)の差が0となりクロスします。
それは移動平均線でエントリーサインとしてよく使われる、ゴールデンクロスやデッドクロスしていることになります。
シグナルラインとは?
シグナルラインはMACDラインに対しての単純移動平均線になり、よく使われる期間は9です
このシグナルラインもMACDラインとのクロスがエントリーのポイントになります。
このチャートでは○内でデッドクロスしています。
指数平滑移動平均線(EMA)より早いタイミングでデッドクロスしているため、トレンドの開始が指数平滑移動平均線(EMA)より早く分かります。
ヒストグラムとは?
ヒストグラムはMACDラインとシグナルラインの幅を表しています。
先ほどのMACDラインと考え方は似ており、MACDラインの時と同じようにヒストグラムが0ラインを通過するときは、MACDラインとシグナルラインがクロスしていることになります。
MACDが示す3つのサイン
おさらいになりますがエントリーポイントを探る場合、MACDラインやシグナルライン、ヒストグラムを使ってエントリーサインが3つあります。
3つのサイン
・MACDラインとシグナルラインのクロス
・MACDラインが0ラインを通過
・押し目、戻り目のクロス
MACDラインとシグナルラインのクロス
MACDラインとシグナルラインのゴールデンクロスやデッドクロスになり、ヒストグラムが0ラインを通過することが特徴です。
上昇トレンド相場ができる直前にゴールデンクロスになっており、MACDの特徴であるトレンドを早く知ることができています。
下降トレンド相場ができる直前にデッドクロスになっており、このチャートでも早い段階でトレンド発生がわかります。
2つ目のポイントは押し目のポイントでデッドクロスになっています。
MACDラインが0ラインを通過
MACDラインが0を通過するときは、同じ期間の2本の指数平滑移動平均線(EMA)がクロスしていることになります。
MACDラインとシグナルラインのクロスの後に見られるのが特徴です。
MACDラインとシグナルラインのゴールデンクロスの後に、同期間の指数平滑移動平均線(EMA)のゴールデンクロスができています。
その地点というのはMACDラインが0ラインを通過しています。
同じように、下降トレンド相場でも直前にMCADラインとシグナルラインがデッドクロスしており、その後に指数平滑移動平均線(EMA)のデッドクロスもおきています。
その指数平滑移動平均線のデッドクロスでは、MACDラインが0ラインを通過しています。
MCADラインとシグナルラインのクロスを逃した場合は、このポイントを狙うことができます。
押し目、戻り目のクロス
トレンド継続中の押し目や戻り目で見られるクロスになります。
これはどういうことかチャートをお見せします。
0ラインより上のエリアで、ヒストグラムが0ラインの下から上へ上がってきています。
同時に、MACDラインとシグナルラインがゴールデンクロスしています。
ローソク足は指数平滑移動平均線(EMA)にタッチして上昇しており、押し目になっているわけです。
ここでのクロスもエントリーポイントになります。
MACDとダイバージェンス
MACDでもダイバージェンスを確認することができます。
下降トレンドで下げてきていますが、MACDラインとシグナルラインが上昇傾向になっています。
そしてその後、上昇トレンドへトレンド転換しています。
MACDはオシレーターですので、ダイバージェンスも反転の根拠の1つとしてみることができます。
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MACDでのダマシ
MACDではラインのクロスでトレードをすることが多いですが、MACDラインとシグナルラインだけでもいろんな所でクロスしています。
このチャートでも、MACDラインとシグナルラインのクロスは何カ所かあります。
黄色○はゴールデンクロスで、緑○はデッドクロスになっていますが、エントリーしてうまくいくところもあれば、失敗するところもあります。
これだけでみると、すべてに手を出してはいけないことがわかります。
ゴールデンクロスやデッドクロスだけで判断してトレードをするというのはギャンブルに近いのです。
必ず他の判断要素が必要になります。
MACDと移動平均線の組み合わせ
MCADは平滑移動平均線の2つの異なった期間からできるため、ダマシを回避するにはもう1つ上の流れを知る必要があります。
先ほどのこのチャートでもクロスはたくさんできており、エントリーしてはいけないポイントでもゴールデンクロスしているため、エントリーのサインと判断してトレードをすると損切りにあってしまいます。
このチャートに更に長い期間の平滑移動平均線を追加してみます。
青色の100EMAを追加しました。これで12EMA、26EMA、100EMAの3つのラインを表示させています。
そして○内ではパーフェクトオーダーになっていることが分かります。
買ってはいけない相場になるため、ゴールデンクロスは無視すべきサインとなります。
MACDを使う場合は、長期の流れに沿ったクロスを狙うことで効果を発揮します。
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まとめ
MACDはトレンドの開始をいち早く教えてくれるインジケーターになります。
そして、エントリーのサインも多いです。
ポイント
・MACDラインとシグナルラインのクロス
・MACDラインが0ラインを通過
・MACDラインとシグナルラインの押し目/戻り目のクロス
MACDは反転をいち早く教えてくれるので、トレンドフォローを狙う場合は押し目や戻り目を待ってから、反転のクロスを狙うことで大きく稼ぐことも可能になります。