トレードでは利益がでることもあれば損切りになることもあります。
しかし相場は上下動を繰り返すもの。
また戻ってくるのでしょ?
こう考える人もいますが、この考え方は危険です。
なぜ危険なのか解説していきます。
塩漬けとは?
塩漬けはトレードでポジションを保有したが、思惑通りの方向へ動く事なく損失が増え続ける状態のことを言います。
早く決済すればいいんじゃないの?
そう思うかもしれませんが、損失が出てしまうと人はなかなか認めることができません。
まだ数百円や数千円程度なら早々に損切りも可能でしょう。
しかし、数万円、数十万円になっていればどうでしょうか。
「もう少し損失を減らしたい」
「もうすぐ戻ってくるはず」
そう考えている間にも損失がどんどん膨らんで退場となっていくのです。
塩漬けする人の特徴
塩漬けする人には特徴があります。
特徴
・スワップ目的
・また戻ってくると信じている
・損切りすべきポイントがわかっていない
スワップ目的
スワップは金利差で得られる利益になりますが、スワップは長期保有する必要があり、毎月大金を稼げるわけではありません。
そして買いポジションでスワップを狙っても、相場が下落していけば損失はどんどん膨らんでいきます。
損切りしてしまえばスワップ効果がなくなるため、決済もなかなかできません。
高金利で有名なトルコ通貨です。
1万通貨を1年保有した場合に得られるスワップは3万程度に対し、含み損は10万を超えてきます。
2万通貨や3万通貨なら含み損は20万、30万を超えます。
スワップ狙いのトレードはトルコリラが有名で、何も考えずに長期保有した結果、大暴落にあい退場になる人が多いです。
この日足チャートはどんどん下がっていますが、どんどん膨らむ損失に耐えることができるでしょうか?
あなたの精神は保てるでしょうか?
上昇相場であれば長期保有も構いませんが、あきらかな下降相場なのにスワップ狙いでの長期保有はオススメしません。
また戻ってくると信じている
相場は上下動しているため、またいつか価格が戻ってくることもあります。
ただそれがいつになるのかわかりません。
すぐに戻ってくることもあれば、数年後になるかもしれません
ポジション保有した当初は損失も小さいでしょう。
しかし含み損がどんどん増え続けると損切りができなくなってくるというものです。
例えばこのチャート。
上昇してきていたので127.30(黄色○)で買いエントリーしたとしましょう。
ポジションを保有した後は約1週間かけてどんどん下落しています。
「また戻ってくる」という願望を持ったまま、どんどん損失が膨らみ損切りができません。
右端まで保有した場合は、1万通貨であれば2万7000円程度の損失ですが、これが10万通貨や20万通貨でトレードしていた場合は20万や50万を超えてきます。
50万の損失を確定させることってなかなかできません。
収入が月100万以上あるのなら平気かもしれませんが・・・。
含み損が増えすぎてしまった結果、なかなか損切りができずに塩漬けしてしまうということになります。
損切りすべきポイントがわかっていない
そもそもどこで損切りしていいのかがわかってない場合があります。
注意
・少しマイナス方向へ進んだらすぐに損切り?
・○○pipsマイナスになれば損切り?
このような損切りばかりしていると、損切り貧乏と呼ばれる状態になります。
メモ
損切り貧乏とは
損切りばかりして資金を減らすこと
トレードの中には損切りしたあと思惑通りに価格が動いた場合に、「損切りしなきゃよかった」と思うようなトレードもあります。
このような経験から、損切りしていなければ稼ぐことができたのにと考えるようになり、塩漬けするようになる人もいます。
やってはいけない塩漬けの3つの理由
塩漬けは正直いいことがほとんどありません。
価格が戻ってきてくれればいいですが、そう都合よくいかないことが多いです。
塩漬けをしてはいけない理由を3つあげると
物事に集中できない
ポジションを追加できない
全資金を失う怖さがある
物事に集中できない
どんどん膨らんでいく損失に絶望しながら、決済もできずに眺めることになります。
決済ができないため、戻ってきてくれることを信じて塩漬けします。
多少の戻しができればそれに歓喜して、これから戻ってくると希望の光を掴んだように思えても、単なるトレンド中の押し目なだけで、押し目が終わればトレンド方向へ再度動き始めます。
矢印のような箇所が該当します。
再度上昇すると信じて祈るのですが、単なる戻りであって下降トレンド継続しています。
そしてますます決済ができません。
仕事中や友人との食事中でも気になって仕方がないです。
気になって寝ることもできなくなります。
塩漬けをするということは、金銭面だけでなく精神的にもきついため覚悟を持ってする必要があります。
ポジションを追加できない
含み損を抱えていると、口座資産から含み損を差し引かれた金額(有効証拠金)でトレードが可能ですが、その有効証拠金が少なければトレードができません。
そのためチャンス相場でもトレードができないため、口座へ追加送金をする必要が出てきます。
ただし新規でポジションを持って利益が出ていても、塩漬けしている含み損分は変わらず残っているため、これを解消しなければ意味がありません。
新規ポジションで10万円の利益がでていても、20万円の含み損が抱えていれば合計で10万円の含み損がある状態になります。
含み損を多少減らせることになりますが、10万円の利益がでればいいですが逆に含み損になることだってあります。
塩漬けしている含み損とさらに追加で含み損を抱えることになることだってあります。
そうなると追加ポジションの含み損もなくしたいがために、塩漬けポジションが増えたり、口座にまた追加送金をしたり・・・。
まさに負のスパイラルです。
しかし塩漬けをすることなく早い内に損切りをすることで、口座へ追加送金をする必要もなくトレードチャンスを狙うことができます。
「損切りをしても、頭を切り替えて次のチャンスを狙う」という考え方が大切です。
全資金を失う怖さがある
相場では大暴落や大暴騰という言葉があります。
大きなローソク足を作って一方的に価格が動いたときに起こり、金融政策や選挙など大きな出来事があったときに起こりやすいです。
塩漬けしているときにそれが起こったらどうでしょうか?
黄色○で買いポジションを持ったけど思惑通りの方向へ動かず、また戻ってくると信じて塩漬けした場合にこの大暴落です。
一気に含み損が増えて、最悪の場合はロスカット以上の損失を負うこともあります。
わかりやすく言うと借金を負うことになり、特にハイレバレッジでトレードしていればロスカット以上の損失になる可能性が高まります。
メモ
ロスカットとは
相場で予想外な動きがあった場合でも、トレーダーの資金を守るためにFX会社が導入しているシステム。
口座資金が“0”にならないように強制決済されます。
基本的にはロスカットのおかげで口座資金がマイナスになることがないのですが、予想以上の大暴落が起こった場合にロスカットが間に合わず、口座資金以上の損失を負ってしまうこともあります。
そうなれば不足分を払う必要があります。
相場ではいつ何が起こるかわかりません。
口座資金に見合ったレバレッジにする必要もありますが、損切り設定をしておき塩漬けしないようにしましょう。
損切りの目的
ここで改めて振り返ってみましょう。
トレードをするときに必ず必要な設定が損切り設定です。
ではなぜ損切り設定が必要なのか
それはあなたの資金を守るためです。
これ以外にありません。
塩漬けをする行為は、お金を守ることをやめていることになるということ。
ただし損切りは適切な箇所にいれてこそ意味があります。
例えば
・直近高安値の上や下
・損益分岐点の上や下
これらに共通するのは優位性です。
優位性があるからポジションを保有することができて、優位性がなくなれば損切りをするのです。
損切りの考え方に関してはこちらも参考になります。
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損切りの値幅の考え方
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プロトレーダーも損切りしている
トレードでなかなか稼げない人は、
プロのトレーダーはどんな相場でも負けることなく勝っているのではないか?
と思う人もいます。
まずこの考え方は間違っています。
プロのトレード手法でも勝率100%なんてものは存在しません。
必ずどこかで損切りをしています。
ただし、小さく損切りして大きく利を伸ばしているためトータルでプラス収支なのです。
プロの手法にも損切りはルール化されている
プロは損切り幅と利確幅(目標)、1回のトレードで耐えられる損失額も考慮してトレードしています。
目標となる利確幅が小さければ損小利大にならない場合があるためです。
エントリーと損切りばかり考えていてはダメなんですよね。
当サイトで紹介しているプロの手法でも、エントリーのタイミングだけでなく損切りや利確、資金管理も含まれています。
あなた自身でルールを1から構築しても構いませんし、すでに実績のあるプロのトレーダーのトレードを学ぶ方法もあります。
どんな方法でも損切りのルールは必要であり、勝率100%はありえないということを頭に入れておく必要があります。
プロらしく損切りしよう
損切りのルールを構築する場合は、どんな方法でトレードをしても大胆に損切りする必要があります。
「勝つときも、負けるときもプロらしく」
これは私が専業トレーダーから聞いた言葉で、たまにうまくいって利益がでたとき、
そのトレードは本当に良いトレードだったのか?
損切りしたときは、そのトレードは良い損切りだったのか?
言われるまでは意識したことがありませんでした。
振り返ってみると、たまたま利益がでたトレードや下手な損切りをしていたことに気づかされるのです。
“たまたま”
というのは根拠がなくポジションを持って、偶然利益がでただけの中身のないトレード。
損切りも根拠がなく、優位性がまだあるのに損切りしていたりします。
これではプロトレーダーにはなれません。
「勝つときも、負けるときもプロらしく」
損切りはダメではありません。
損切りも大事なトレードです。
今までのトレードを振り返ってみて、良いトレードだったのか?を考えてみてはいかがでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
塩漬けは精神面でも金銭面でも良いことはほとんどありません。
大暴落や大暴騰が起きた場合は、耐えられずにロスカットや場合によっては、口座資金以上の損失を負うことにもなり得ます。
塩漬けする人の多くは、
・損切り回数を減らしたい
・含み損を減らしたい
・スワップがほしい
こんな考え方を持っていることが多いです。
スワップに関してはトレンドと一致していれば問題ありませんが、その他は損切りポイントがわかってないことが多いです。
トレードの練習をして損切りすべきポイントがわかるようなる必要があります。
今現在、損切りポイントがわからないという人はリアルトレードを中止してデモトレードで経験をつんでください。
練習君といったトレーニングツールもあります。
練習君はトレーニングツールで、相場が止まっている土日休みでも動くチャートでトレード練習ができます。
損切りも重要なトレードになるため、塩漬けのように根拠がないことは避けるようにしましょう。
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