上昇トレンドになっているから買いエントリーすれば勝てる。
下降トレンドになっているから売りエントリーすれば勝てる。
これだけだと勝てません。
そこで出てくるのがマルチタイムフレーム分析です。
マルチタイムフレーム分析はトレーダーには必須能力であり、これをなくして勝つ方法はありません。
どんな手法でもマルチタイムフレーム分析が必要になります。
ですので、今回はマルチタイムフレーム分析について解説致します。
マルチタイムフレーム分析とは?
マルチタイムフレーム分析は上位足で大きな流れの確認を行い、下位足でタイミングを図ってトレードを行う方法になります。
例えば、上位足である4時間足で下降トレンドを確認して、1時間足でトレードのタイミングを図るといった感じです。
4時間足のチャートですが、短期、中期、長期の移動平均線が下降パーフェクトオーダーになっており、下降トレンドができています。
黄エリアでトレードをしたいと考えた場合に、1時間足でタイミングを図ります。
1時間足では短い上昇トレンドができており、トレンドラインを引くことができます。
この上昇トレンドが終了すれば売っていけるというわけです。
①はトレンドラインをレートが下へ抜けたときになります。
ただこの時点では、トレンドが終了しただけですので、売りエントリーにはリスクが高めです。
次に②は、短期移動平均線が長期移動平均線をデッドクロスしたタイミングです。
③はレジサポラインをレートが下へ抜けたときになります。
他にもエントリーできるポイントはありますが、上位足で下降トレンドと明確にわかれば、あとは下位足で上位足と同じ下降トレンド方向へ移り始めればトレードができます。
この上位足の環境認識と下位足でのタイミングを図るための分析をマルチタイムフレーム分析といいます。
上位足の相場環境を確認する理由
上位足のトレンド方向へ狙いを定めることによって、大きなリワードを得られるというメリットと、大きな時間足のトレンドは小さな時間足より長期的にトレンドが続くため、勝率を高めやすいです。
先ほどのチャートになりますが、右側を消してみました。
このチャートがこのあと下がるのか上がるのか、これだけでは全くわかりません。
ですが上位足である4時間足を確認することで、このあと下がるのか上がるのかがわかりやすくなります。
これが4時間足ですが、下降ダウにもなっていますし、下降パーフェクトオーダーにもなっています。
4時間足をみることで、このあと下がりやすいと判断できるわけです。
過去検証をするときは、このように右側を消して検証するという方法もいいかと思います。
上位足の方が強い
時間足は長い時間軸の方が強く、1分足などの下位足は弱い時間足になります。
その理由は1分足などの下位足では上位足トレーダーの参加者もいるからです。
どういうことか?
例えば、4時間足をメインにしている人は、1時間足でタイミングを図ったりしますが、さらにピンポイントでトレードをしたい場合は、5分足や1分足もみます。
1分足でエントリーできれば、トレンドの頭の部分から獲りにいくことも可能ですし、損切りもかなり小さくできます。
そして4時間足のトレンドを獲りにいくのですから、かなり大きなリワードを狙うことができるわけです。
損切り5pips設定で利確を200pipsや300pipsあるいはそれ以上狙えるということです。
ですので、上位足で上昇トレンドが始まりそうだと判断できれば、1分足で下降トレンドの勢いが少しでもなくなれば、上位足トレーダーによる買い注文が集中して一気に上昇することもあるのです。
マルチタイムフレーム分析の方法
マルチタイムフレーム分析を行うには、メインとしている時間軸を基準に中期、長期の時間軸の確認が必要になります。
メモ
1時間足メインの場合は、中期に4時間足、長期は日足となります。
長期で方向を判断して、中期でトレードできる状態かを判断、短期でタイミングを図ります。
完結に言うと、長期と中期が同じ方向の時に短期でタイミングを図ります。
それでは、インジケーターやライン引きの方法で解説致します。
インジケーターを使ったマルチタイムフレーム分析
代表的な移動平均線を使って解説します。
移動平均線を使い20MAを表示させています。
まずは長期の日足では下降トレンドになっており、押し目を作って再度下げ始めたところになっており、チャート右側で20MAも下を向き始めています。
次に中期の4時足をみてみます。
中期である4時間足では20MAも下向きで勢いもあります。
チャートの右側では日足と4時間足の20MAは同じ方向を向いていることがわかります。
次に1時間足でタイミングを図っていきます。
現在は20MAより上にレートがきているため、売りエントリーできませんが、右側で書いたように、20MAよりレートが下へ抜ければエントリーができます。
このように上位足から環境認識を行い、下位足でどうなればエントリーできるのか予め作戦を立てておきます。
それでは、このあとのチャートを見てみます。
1回目のエントリーでは、すぐに20MAより上へ戻ってきましたが、2回目の下抜けで、本格的に下げていきました。
このように、1時間足ではタイミングを図ります。
1つの時間軸でマルチタイムフレーム分析
1つの時間軸でのマルチタイムフレーム分析というのは、メインである1時間足に中期と長期の移動平均線を追加する方法です。
1時間足のチャートに色を変えて、4時間足の20MAと日足の20MAを追加しました。
1時間足の20MAを基準に
20×4時間=80MA(水色)
20×24時間=240MA(赤色)
これが各20MAの設定です。
このチャートだけでも下降パーフェクトオーダーで狙えばいいとわかります。
オシレーターを追加してみる
オシレーターを追加することで、より精度を高めたエントリーを狙うこともできます。
先ほどの1時間足のチャートに移動平均線と同じ期間のRCIを追加しました。
1回目のエントリーでは、80期間の水色ラインが上昇中であるため、買い気配が高まっている状況です。
ですので、ここで売りエントリーしても再度上昇する可能性が考えられます。
しかし2回目のタイミングでは、水色のラインが頂点付近まで上昇しており、20期間がデッドクロスして勢いよく下げています。
オシレーターを追加することで、2回目は成功しやすいタイミングだと判断できます。
ラインを引いたマルチタイムフレーム分析
引くラインというのは、
・トレンドライン
・チャネルライン
・サポートライン
・レジスタンスライン
・ネックライン
になります。
これらのラインをすべて引くわけではなく、引ける場面で必要なラインだけ引きます。
では日足からみてみます。
日足では長期的な下降トレンドになっており、そのトレンドが終了してトレンド転換するかも?という場面であります。
ただまだ上昇トレンドには繋がらず、売りが強い場面です。
次に4時間足をみてみます。
日足で引いたラインを日足トレンドラインや日足レジサポラインとしています。
この4時間足では、トレンドラインとサポートラインを新しく引きましたが、トレンドラインに対しては、角度が急すぎるためあまり有効ではありません。
ただ下降ダウにはなっているため、売り狙いの場面ではあります。
それでは1時間足でタイミングを図ります。
1時間足では上昇トレンドになっており、チャネルラインを引くことができます。
このチャネルライン付近でダブルトップなど天井圏でみられるチャートパターンができれば、売りエントリーが可能になります。
このときの高値が過去から引けるレジサポラインである方が望ましいですが、ここのエントリーできなくても、トレンドラインを抜けてからリターンムーブでのエントリーも可能です。
ではその後のチャートですが、
チャネルラインで思惑通りのダブルトップができていないので、エントリーはできませんが、トレンドラインを抜けてエントリーもできます。
ただし、トレンドラインを抜けただけというのは、トレンドが終了しただけなので、再度上昇もありえます。
今回の場合は、抜けてからもう一度高値付近まで戻ってきました。
そこでダブルトップとなり、ネックラインを抜けたところでエントリーが可能になります。
3つ目のエントリーは引き直したトレンドマイクロを抜けてからのエントリーですが、このすぐ下には日足から引けるネックライン(水色)がありますので、リスクは高いです。
このようにラインを引いてトレードをすることも可能ですが、ライン引きは練習が必要になります。
まとめ
マルチタイムフレーム分析は上位足の流れに沿って下位足でタイミングを図るための分析だとわかりました。
今回は移動平均線とラインを引いたやり方を紹介しましたが、インジケーターには他にもたくさんあり、ラインを引く方法でも1本や2本しか引かないトレーダーや、水平ラインのみでトレンドラインを一切引かない人もいらっしゃいます。
分析方法は手法により見る時間軸やトレードのタイミングなど変わってきますが、上位足で全体の流れを知って、下位足でタイミングを図るという点では同じです。
トレードをするときは上位足を見るという癖をつけるようにしましょう。