一目均衡表は細田悟一氏が2,000人のスタッフと7年かけて完成させたテクニカル分析法になります。
一目均衡表を極めることができれば、トレンドの強弱やエントリーや決済のタイミングなど「一目で」分かるようになります。
ただし、少し複雑なため使いこなすためには慣れが必要です。
一目均衡表とは?
一目均衡表は【基準線】、【転換線】、【遅行線】、【雲(先行スパン1、先行スパン2)】の4つの構成でできています。
この複雑そうなチャートを見て敬遠される人もいらっしゃると思いますが、一目均衡表はトレンドの強弱やエントリーや決済のタイミングなど「一目で」教えてくれますので非常に優秀です。
ですが、基準線や転換線、遅行線、雲の4つ全て表示させなくても構いません。
雲だけ使っている人や転換線・基準線だけを使っている人もいらっしゃいます。
まずは一目均衡表の各ラインの使い方を学んでいきましょう。
転換線・基準線について
転換線や基準線はダウ(上昇ダウや下降ダウ)に重点をおいたラインです。
転換線と基準線のよく使われる期間と計算式は以下になります。
転換線と基準線の関係は、転換線が短期ラインで基準線が長期ラインという考え方になります。
この辺りは移動平均線も同じなのですが、計算式が違います。
(高値+安値)÷2というのはどういうことか?
それは中間値になります。
半値という言い方もします。
転換線(紫)と基準線(青)の2つのラインだけ表示させました。
カクカクした動きになっております。
高値と安値が変わらなければ、転換線・基準線は動かないためです。
ですが転換線や基準線が上昇or下降しているときは高安値も上昇or下降しているときになります。
それはいわゆる上昇ダウや下降ダウが出来ているということになります。
ダウが出来ているため、「方向」に対して信頼度が高いです。
遅行線について
遅行線は現在のレートを26期間ずらして表示させたラインになります。
遅行線は現在のレートと、26個前のレートと比べて上なのか下なのかを見ます。
上のチャートで言うならば、上になります。
- 上なら強気相場(買い)
- 下なら弱気相場(売り)
という見方になります。
雲について
一目均衡表の特徴である雲について。
雲は【先行スパン1】、【先行スパン2】に囲まれた部分を「雲」といいます。
先行スパンの計算式や特徴は以下になります。
先行させているため分かりにくいですが、この先行スパン1や先行スパン2も転換線と基準線と同様に高安値の中間値(半値)になります。
この雲よりレートが上に位置する場合は、買いが強い相場であり、逆に雲よりレートが下に位置する場合は売りが強い相場になります。
メモ
先行スパン1が上に位置して雲が緑の状態を陽転といい、先行スパン1が先行スパン2より下に位置して雲が赤の状態を陰転といいます。
転換線・基準線の使い方
転換線や基準線を使うときはそれぞれの方向や位置関係が大切になってきます。
ポイント
転換線・基準線の方向
転換線・基準線やレートの位置関係
転換線・基準線の方向
転換線や基準線はダウを表しているため、上昇中であれば上昇ダウ、下降中であれば下降ダウになります。
短期期間と長期期間が共に水平になっていればレンジ相場になるため、トレードを控えた方がいいことになります。
赤のエリアでは、転換線と基準線が水平になっています。
この区間はレンジなのですが、長期的な流れは下げてきているため下降ダウの一時的なレンジ相場ということになります。
転換線・基準線とレートの位置関係
長期的にトレンドができていても押し目や戻りを作るときがあります。
押し目や戻りにも小さなものから大きめのものまであり、それは転換線の向きや基準線とレートとの位置関係で判断する必要があります。
転換線がトレンド方向を向いている場合は、レートが転換線を抜けたときがエントリーのタイミングになります。
しかし転換線が基準線とは逆向きである場合は、一時的な押し目になる可能性があるため、再度基準線の上(上昇ダウの場合)か下(下降ダウの場合)になるまで待つ必要があります。
チャート左側では下降ダウになっています。
黄色のエリアでは、転換線と基準線が共に下げてきています。
そのなかでレートが一時的に、転換線より上へ動いていることがわかりますでしょうか。
その場合、再度レートが転換線より下へ転換線を抜いていけば売りエントリー可能になります。
しかし赤のエリアでは転換線が基準線よりゴールデンクロスして上にきました。
転換線が基準線より上に位置している状況で売りでは狙えません。
逆も同じで上昇トレンドの場合は転換線が基準線より下に位置している場合は買いで狙うことはできません。
再度クロスしてから狙うことになりますので、今回の場合はデッドクロスしてからになります。
ポイント
上昇トレンドの場合は、転換線が基準線より上の位置で狙う
下降トレンドの場合は、転換線が基準線より下の位置で狙う
遅行線の使い方
遅行線の使い方は26期間前のローソク足を抜けてエントリーするといったエントリーサインとして使います。
青○では遅行線がローソク足を抜けて、売りエントリーします。
雲の使い方
雲の見方は陽転している状態で、レートが雲より上なら買い、逆に陰転している状態で雲より下に位置していれば売りで狙います。
4つ組み合わせた一目均衡表の使い方
一目均衡表は【基準線】、【転換線】、【遅行線】、【雲(先行スパン1、先行スパン2)】の4つの使い方について説明致しました。
しかし各ラインで上だった買い、下だったら売りとややこしいです。
ここで「三役好転」というものがあります。
この3つの条件が揃っていれば絶好の買いチャンスです。
①転換線が基準線より上であること
②レートが雲より上であること
③遅行線が26期間前のレートより上であること
以上の3つが揃っていることで、買いを狙っていきます。
エントリーするタイミングは転換線が基準線をゴールデンクロスしたときになります
売りで狙う場合は「三役逆転」といい、考え方は三役好転の逆になります。
①転換線が基準線より下であること
②レートが雲より下であること
③遅行線が26期間前のレートより下であること
転換線と基準線の応用
転換線や基準線、雲も高安値の中間値(半値)を表しているため、言い換えれば全て期間が違う転換線のようなものです。
移動平均線では短期(20期間)・中期(80期間)・長期(240期間)のように期間を変えて使うことが多いのですが、転換線も同じような使い方ができます。
メモ MT4を使えば3つ以上の転換線を表示させて使うことが可能。
転換線を移動平均線のよう表示させてみました。
それぞれの期間は適当なので参考として見ていただきたいのですが、4つの転換線で下降パーフェクトオーダーになっているのが分かりますでしょうか。
4つの期間でラインが下げているということは、長期的な下降ダウが出来る期待があるため、「方向」を間違うことはなかなかないかと思います。
あとは期間の短いラインを使いエントリーのタイミングを図るだけです。
まとめ
一目均衡表はかなり複雑であるため、使いたいと思う方も少なくないと思います。
ですがダウを明確に示してくれるため、「方向」にたいしては信頼度が高く、人気のあるインジケーターの1つでもあります。
すべてのラインを使う必要もないですが、他のインジケーターと組み合わせる方法や、私が紹介した4つの期間が違う転換線を使う方法もあります。
複雑に見えますが、使い方を理解できれば面白いインジケーターだと思います。